暮らしに欠かせない住宅設備のひとつ、給湯器（ガス給湯器）。給湯器にも寿命があり、その年数は約10年といわれています。経年使用により劣化し、故障が増え、急にお湯が出なくなることもあります。さらに耐用年数を過ぎて使い続けると事故につながる可能性も。長期使用中の給湯器に不調を感じたら交換を検討しませんか。ここでは石油給湯器ではなく、ガス給湯器の寿命について解説します。
給湯器の耐用年数は、10年
日本石油ガス機器工業会によると、ガス給湯器の耐用年数の目安は10年とされています。
給湯器は長く使っているうちに、部品が摩耗したり、電子基板が故障したりなどの経年劣化が起こるからです。
ガス機器には、安全上支障なく使用できる標準期間「設計上の標準使用期間」が定められています。家庭用のガス給湯器を、標準的な使用方法・頻度で使っている場合、メーカー各社で設定している「設計上の標準使用期間」は、製造から10年となっています。
もちろん使用頻度や使用環境などの影響で、設置から10年未満でも不具合が生じることもあります。
また各メーカーでは、一定期間ごとに新しい機種へとバージョンアップしています。家電製品と同じように、給湯器にも「新型」が登場しています。そのため、製造から年数が過ぎてしまった旧型の給湯器の部品のお取り寄せができない場合があります。
ノーリツ、リンナイ、パロマなど各メーカーでは有償の「あんしん点検」を実施しています。経年劣化が気になる場合は各メーカーに依頼して点検を受けるのもよいでしょう。
給湯器故障の前兆？交換のサイン？
給湯器は戸建て住宅の屋外や、マンションのベランダまたは廊下部分などに設置されていることが多いもの。なので、劣化していも気付きにくいですね。
例えば10年近く使っている給湯器に以下のような症状はありませんか？
点火しにくい、または時々点火しにくい
給湯器が点火しにくかったり、時々点火しにくいということはありませんか？
リモコン（操作パネル）で運転ボタンを押しても、燃焼サインがつかない場合は、点火装置に不具合があることが考えられます。※メーカーや機種によって燃焼サインは異なります。
においがする
給湯器を使用しているときに、異臭（におい）はありませんか？
異臭がするなら、点火不良を起こしていたり、配管からガス漏れを起こしている可能性があります。
点火したときに大きな音がする
点火時に大きな音がする場合は、点火装置に不具合があったり、燃焼管が詰まっている可能性があります。
お湯がぬるい、お湯の温度が安定しない
設定温度よりもぬるいお湯しか出ない、また使用中にお湯が熱くなったり、ぬるくなったりすることはありませんか？ お湯の温度が安定しないのは、経年劣化により燃焼能力が落ちてきている可能性もあります。
リモコンに時々エラーの表示が出る
給湯器によっては、「設計上の標準使用期間」をこえるとリモコンにエラーコードの表示が出るものもあります。エラーコードがたびたび表示されるようになったら、注意が必要です。
排気口がススで黒ずんでいる
給湯器の排気口の周囲が黒く汚れていると、不完全燃焼を起こしている可能性があります。燃焼時に酸素が不足すると不完全燃焼を起こしてススが発生します。黒く汚れてススが付いているということは、不完全燃焼が原因かもしれません。
外側がさびている
給湯器の外側(外装部分）がさびていたり、さびで腐食していると、内部の機器にもさびが広がっている可能性があります。
水漏れしている
給湯器の配管から水漏れしている場合、内部部品の経年劣化が原因の可能性があります。
上記のうち、１つでもあてはまれば給湯器が寿命の時期を迎えている可能性があります。交換時期の目安と考えてください。
給湯器のハイシーズンほど故障も多い
給湯器の故障が多い季節は秋や冬。給湯器を頻繁に使うシーズンでもありますね。気温が下がると水温も低くなり、冷たい水を温めるために給湯器はより大きなパワーで燃焼するため、どうしても負担がかかります。その結果、故障も多くなるのです。
給湯器、寿命を超えて使うのは危険？
20年、30年など、中期間にわたって給湯器を使用されているご家庭はありませんか？
長期間使用していて、寿命の目安となるような上記の不具合が出ている給湯器を使い続けると、どうなるのでしょうか？
- 機器や配管からのガス漏れで火災が発生する可能性
- 設定温度と違うお湯が出てやけどをする可能性
- 燃焼初期の異常（爆発）着火が起こる可能性
- 不完全燃焼が起こり一酸化酸素中毒になる可能性
※参照元：日本石油ガス機器工業会サイト
今どきのガス給湯器は実際に「炎が出ている様子」は見えませんが、「ガスの燃焼」によってお湯を作っています。ガス給湯器の耐用年数を超えて長期間使用すると、火災やけがの原因になるおそれがあります。「まだ使えるから」と過信せず、メーカーの有償点検を受けたり、交換を検討しましょう。
最新型の給湯器に交換すると省エネ効果も？
給湯器は経年劣化すると燃焼効率が悪くなり、ガスをより多く使っている可能性があります。給湯器の新機種は年々進化していて、機能面が便利になっているだけでなく、熱効率が高くなっています。
給湯器の交換費用はどのくらい？
給湯器を取り替えたいと思ったら、どのくらいの費用がかかるか気になりますね。機種によって金額が変わってきます。
もっと詳しく
戸建てとマンションでは設置場所が違いますし、夫婦2人の世帯と4人家族では必要とするお湯の量も変わってきますよね。給湯器は使うお湯の量が多ければより高い給湯パワーが必要になるからです。
機器の価格はもちろんですが、工事費も気になりますね。
くつろぎホームの場合、例えばマンションにお住まいの4人家族で「ベランダ壁掛けタイプ」の24号なら、給湯器本体+リモコン+工事費で税込79,384円の機種をご用意しています。工事費込みで施工対応地域内は出張費無料です。 給湯器交換対応エリアを見る＞
基本工事費は設置する給湯器のタイプ（給湯専用、自動でお湯はりなどができるオート・フルオート、エコジョーズなど）によって異なりますが、タイプごとに一律金額で設定しています。
ただし、設置場所によって追加工事費（足場が必要な高所での取付、一人での作業が難しい狭い場所での取付など）が必要なケースがあります。見積りにより金額が変動することがあります。見積りは無料なので気軽にどうぞ。
【給湯器の寿命】まとめ
給湯器の寿命や経年劣化による故障のサイン、交換時期の目安について解説しました。劣化した給湯器を使い続けることは、火災や事故などの原因になり、大変危険です。安心してお使いいただくために、「設置してから10年」を目安に買換えのご検討をおすすめします。また給湯器を燃焼効率の高い機種と交換することで、省エネ効果や節約効果も期待できます。